KAWASEDO GUIDE
プットコールレシオとは?ドル円オプションフローの見方
プットコールレシオ(PCR)は、プットとコールの取引量を比率で比較する指標です。為替道では、DTCCが公開するUSD/JPY OTCバニラオプションの新規取引から、取引件数とUSD想定元本のPCRを日次で算出しています。
ドル円のプットとコール
USD/JPYコールは、将来の一定時点または期間に米ドルを買い、円を売る権利です。USD/JPYプットは米ドルを売り、円を買う権利です。このため、一般にはコール需要はドル高・円安への備え、プット需要はドル安・円高への備えと関係します。
ただしオプションは相場観だけでなく、輸出入企業の為替ヘッジ、既存ポジションの保険、ボラティリティ取引、複合戦略にも使われます。プット取引が多いから、参加者全体が単純にドル安を予想しているとは限りません。
PCRの計算と1.00の意味
為替道の件数PCRは「USD/JPYプット取引件数 ÷ USD/JPYコール取引件数」です。PCRが1.00なら件数が同じ、1.00を上回ればプットが多く、下回ればコールが多い状態です。たとえばPCRが1.20なら、コール100件に対してプット120件に相当します。
想定元本PCRは、プット側のUSD想定元本をコール側で割ります。大口取引の影響を受けやすく、公表値が上限処理される場合もあるため、為替道では5営業日の件数PCRを主表示し、想定元本PCRを補助値として扱います。
取引フローPCRと建玉PCRの違い
株式市場などで一般的なPCRには、当日の出来高を使うものと、未決済残高である建玉を使うものがあります。為替道の数値はDTCCのCFTC Public Price Disseminationに現れた新規取引フローの集計で、OTC市場全体の建玉ではありません。
DTCCレポートの訂正・変更・エラー取消を反映し、USD/JPYのバニラオプションだけを集計します。一方で、公開対象外の取引や他の報告機関の取引を含む市場全体を網羅するものではなく、株価指数オプションのPCRとも直接比較できません。
チャートの読み方
灰色線は当日PCR、青線は直近5営業日の合計件数から算出したPCRです。当日値は取引件数の偏りで振れやすいため、青線の方向と1.00からの距離を中心に確認します。1.00をまたぐ動きが継続するか、短期的な一日だけの変化かを分けて見ます。
PCR上昇と同時にドル円が下落していれば円高ヘッジ需要と整合的ですが、価格が上昇している場合は保険需要や逆張り、複合取引の可能性もあります。スポット価格、金利差、政策イベント、COTポジションと併用してください。
逆張り指標として使う際の注意
極端なPCRを投資家心理の偏りとして逆張りに使う考え方がありますが、普遍的な「買われ過ぎ・売られ過ぎ」の閾値はありません。対象市場、期間、集計方法によって通常レンジが異なり、履歴が短い段階で固定的な基準を置くのは適切ではありません。
為替道のPCRは売買シグナルではなく、公開されたオプション取引フローの偏りを観測する参考指標です。水準だけで方向を決めず、過去レンジ、変化速度、重要イベント前後の動き、他のマクロ指標との整合性を確認します。
データ出典
為替道は個別取引を保存せず、日次集計値だけを表示します。一次情報と公開範囲はDTCC CFTC Public Price Dissemination ↗で確認できます。
為替道ダッシュボードでは、解説した指標を公開データで確認できます。
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